調査報告について / REPORT

平成25年5月実施「タオル流通動向調査」の結果に関するリリース

 アンケート対象のタオル流通会員企業の今調査での景気動向への見方を示す「業況判断DI」は、前回調査の2月時点に比べ、「悪い」と回答する企業数が増加しており、また、先行きに関しても、さらに悪化するという予測をする企業が増加している。
 多くの企業で、12月以降の急速な円安が、海外品の仕入単価の上昇につながると回答する一方で、販売価格に転嫁することは困難である、と回答する企業が多く、採算面で悪化することから、業況判断においては、「悪い」との判断をする企業が増加する結果となった。
 この間、在庫水準に関しては、「不足」と答えた企業がない半面、「過剰」と答えた先が50%に上るなど、全体としては、流通段階では、ややだぶつき感の見られる動向となっている。


Q. 業況判断に関する質問
 経営マインドに関する質問である「業況判断」に関する結果を見ると、現在においては、多くの会員企業が「やや悪い」「悪い」をマークしており、2月調査時点と比較しても、「悪い」と答える企業数が増加している。下記の計算式で算出した全体の業況判断DIは、-0.78(2月調査時点 -0.69)と、「良い」「悪い」が均等になる 0 を大きく下回っている状態が持続している。

*業況判断DIは、「良い」2、「やや良い」1、「どちともいえない」0、「やや悪い」-1、「悪い」-2を付与して、総合計をアンケート参加者数で除して、1会員の平均を算出したもの。

全体として厳しい見方が多い主な理由は、以下の要因が挙げられる。

  1. 販売面では、自民党政権のアベノミクスによる景気刺激策に対する期待は高まるものの、株や高額商品が売れている半面、日用品に属するタオル製品に対する需要は相変わらず厳しいものがあり、商況は低調に推移している。販売単価も、下落傾向にはないものの、上昇局面にはないとの判断。

  2. 一方で、仕入面においては、12月以降進んでいた急激な円安が、足許5月においてもさらに進行しており、海外からの輸入製品の仕入単価が円建てで大幅に上昇している半面、こうしたコストアップを販売価格に転嫁していくことは困難な情勢が持続、結果採算が悪化していく傾向となっており、このことが業況判断DIを下振れさせる主因となっている。
    また、3か月先の業況に関する判断DIについては -0.93 と、足許の状況より悪化するとの結果となっている。
    2月の調査時点では、3か月先の業況判断DIは -0.46 と、足許に比較して改善するとみている企業が多く見られたが、長引く円安傾向が、海外品を扱う会員企業の業況マインドの一層の低下をすすめており、その結果、先行きをさらに厳しいとみる企業が増加している。

業況判断DI

Q.販売、仕入動向に関する質問
 会員企業では、足許の販売状況は、「良い」「やや良い」と判断する企業はなく、「どちらともいえない」が全体の36% を占め、「やや悪い」「悪い」にマークする企業が64%となっている。
 平成25年4月度の全国百貨店売上高は、前年同月比 -0.5%と4か月ぶりに前年同月比マイナスとなったほか、チェーンストア販売統計も同-1.8% と、低調な仕上がりとなっている。輸出関連産業型の大企業中心に円安による好影響が出ているものの、GDPの70%近くを占めている消費全体でみると、景気拡大効果は、まだ限定的に表れているに過ぎない状況となっているのが実情である。
 販売価格に関する質問では、「上昇した」「下降した」を選ぶ企業は僅少で、多くの先で「変化なし」を選択している。一方で、仕入価格に関する質問では、「下降した」と判断する企業がない半面、7割を超える企業で「上昇した」との判断となっている。円安による海外仕入商品の値上がりが主因ながら、国内製造のタオルにおいても、原料輸入綿糸の値上がりに加え、電力料金の値上がりなどを背景とする精錬工程での値上がり等を理由に、仕入単価が徐々に上がる傾向となっている。

Q.在庫動向に関する質問
 在庫水準に関しては、「不足」と答えた企業がない半面、「過剰」と答えた先が50%に上るなど、全体としては、流通段階では、ややだぶつき感の見られる動向となっている。2月時点での調査結果では、70%に企業が「適正」と回答していたが、低調な販売動向や仕入価格の上昇を背景に、在庫動向も「過剰」と答える企業が増加する結果となっている。
以上

なお、本調査に関するご質問等がありましたら、お気軽に以下にご連絡ください。
info@osakatowel.jp

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