調査報告について / REPORT

2022年11月実施「タオル流通動向調査」の結果に関するリリース

 前回8月からの消費動向は、人の往来が活発化したことから、新型コロナ感染状況がピークとなり、高齢層を中心に外出自粛傾向が見られたものの、前年の緊急事態宣言等による営業制限の反動で回復基調を維持している。その後次第に感染者数は減少し10月になると落ち着きを見せ堅調に推移したが、11月に入ると第8波ともいえる感染者数の再拡大とともに、以前から続く世界情勢の影響による値上げもあり、伸び率に変化が見られる。インバウンドは水際対策の大幅緩和や円安の影響から大幅に増加しているが、コロナ前の2019年比では未だ半減の状況。
 アンケート対象のタオル流通会員企業の今回調査での景気動向への見方を示す「業況判断DI」は足元 -0.92と前回調査と横ばい。
 また、三ヶ月先の「業況判断DI」は-0.75となり、前回調査で改善傾向にあったものが悪化する結果となった。
 こうした環境の中、販売動向に関しては、前回58%の先が「やや悪い」「悪い」と回答していたが、42%に減少し、「どちらともいえない」が42%と、拮抗する結果となり、前回調査から改善。足元の販売状況は「コロナ禍においては回復傾向にある」状態。
 一方、仕入価格の上下を問う質問では、ほぼすべての先で前回に引き続き「上昇した」と回答しており、円安、綿花価格や輸入コストの高止まりで、引き続き仕入コストが上昇しているものと思われ、先行きが非常に懸念される状況となっている。
 前月に比べて販売価格の上下を問う質問では、75% の先で「上昇した」と回答しており、価格転嫁の動きが顕著となっている。また、前回に引き続き、在庫水準の評価は58%が「過剰」と答えており、依然として過剰な状態が続いている。


Q. 業況判断に関する質問
 今回調査の業況判断は -0.92 との結果。前回8月調査(-0.92)と同じ結果となった。コロナ感染者数は高水準で推移しているものの、概ね行動制限がない状態となり、インバウンドも水際対策の大幅緩和により、改善の兆しが見て取れる。一方で資源、原材料の高騰、円安、ウクライナ情勢については大きな改善が見られず、エネルギーや食料品、生活必需品が目に見える形で値上げとなっていて一層の生活防衛意識の高まりが懸念される。
「良い」「やや良い」の判断は0%が続いており、引き続き非常に厳しい状態である。
*業況判断DIは、「良い」2、「やや良い」1、「どちともいえない」0、「やや悪い」-1、「悪い」-2を付与して、総合計をアンケート参加者数で除して、一会員の平均を算出したもの。

 この間、個人消費を反映する全国百貨店売上の足元の推移をみると、外出機会の増加に伴う消費マインドの回復が引き続き見られ、世界情勢の影響による価格高騰、内食化の減少で食料品は苦戦しているが、高級ブランドの価格改定前の駆け込み需要もあり好調だった。
 チェーンストア売上高は、食品で外食の機会が増えたことにより内食化需要の減少傾向が見られたものの、店頭価格の上昇から堅調に推移した。また、天候原因をのぞけば外出需要で衣料品、旅行・行楽需要関連商品などの動きはよかった。

全国百貨店、チェーンストアにおけるタオル分野の売上高伸び率推移

前年同期比伸び率%、店舗数調整後 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月 10月 11月
全国百貨店売上高合計 4.6 19.0 57.8 11.7 9.6 26.1 20.2 11.4 4.5
「その他家庭用品」分野 -4.6 4.2 43.5 3.9 -3.7 16.5 7.8 -4.1 -7.4
全国チェーンストア売上高合計 1.9 2.1 0.9 -0.1 1.8 0.6 1.1 1.6 0.8
「住関品 日用雑貨品」分野 15.5 14.8 15.8 8.9 10.9 6.2 16.5 16.7 12.8
家具インテリア」分野 -2.0 0.1 -3.0 -4.3 2.5 -0.7 -1.8 10.3 2.1

(注)百貨店売上高は日本百貨店協会発表、チェーンストア売上高は日本チェーンストア協会発表資料による

 3か月先の業況に関する判断DIについては、-0.75と足許の判断( -0.67)からは悪化。改善の傾向があったがここにきて慎重な回答となった。「やや悪い」、「悪い」の回答が増え、先行きを不安視する判断となった。新型コロナ感染者数は高水準であるものの、ほぼ行動制限がない状態となっており、景気回復を期待する一方で、コストアップの状況と物価高による生活防衛意識の高まりを懸念する内容となった。

業況判断DI


Q.販売、仕入動向に関する質問
 販売動向に関する状況をみると、「どちらともいえない」が増え、「やや悪い」、「悪い」が、前回の 58%から42%に改善し、新型コロナの影響による販売状況の悪化は歯止めがかかってきたように見える。実際、百貨店、チェーンストア売上でタオルの属するカテゴリーでは好調な動きもみられ、また、イベントなどが開催されるようになり、アンケート回答者からは名入れは堅調との声も複数あった。
 前月との比較で仕入価格の変化を問う質問では、前回に引き続き、ほぼすべて の先で「上昇した」としており、仕入価格は引き続き上昇している模様。綿花の国際価格は大幅に下落したものの、高止まりしており、引き続き円安水準、輸入コストも高止まりしている。各要素が不透明な中、先行きについてはややネガティブな回答内容となっている。
 また、販売価格の変化を問う質問においては、75% の先で「上昇した」と回答していいて、仕入れ価格の傾向とのギャップは少なくなり、価格転嫁が進んでいるものと思われる。

Q.在庫動向に関する質問
 今回11月調査では、在庫が「過剰」と判断する先は全体の58% と、前回8月調査 58%、と横ばい。前回に続き、過剰な状況は変わっていない。
以上

なお、本調査に関するご質問等がありましたら、お気軽に以下にご連絡ください。
info@osakatowel.jp

気持ちよくタオルをお使いいただく為に

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