調査報告について / REPORT

2023年2月実施「タオル流通動向調査」の結果に関するリリース

 前回11月からの消費動向は、行動制限のない年末年始となったため、前年のまん延防止等重点措置の反動もあり堅調に推移、物価高による節約志向が見られるものの、コロナ前の水準に戻りつつある。
 インバウンドは水際対策の緩和や円安効果で急伸、コロナ前の水準には未だ程遠いものの、着実に回復している。
 アンケート対象のタオル流通会員企業の今回調査での景気動向への見方を示す「業況判断DI」は足元 -0.42と大幅に改善。
 また、三ヶ月先の「業況判断DI」は-0.33となり、こちらも大幅に改善する結果となった。
 こうした環境の中、販売動向に関しては、前回同様、42%の先が未だ「やや悪い」「悪い」と回答しており、「どちらともいえない」が50%と若干増加、足元の販売状況はコロナ前の状況に回復しつつある中、楽観できない慎重な姿勢がみられる。
 一方、仕入価格の上下を問う質問では、50%の先で「上昇した」と回答しており、仕入れ価格の上昇は落ち着きがみられるが、引き続き円安、綿花、綿糸価格や輸入コストの高止まりで、総じて仕入コストが上昇しているものと思われ、先行きが楽観できない要因になっている。
 前月に比べて販売価格の上下を問う質問では、「上昇した」が33%に減少し、他がほとんど「変化なし」と回答しており、前回に比べ値上げが浸透しつつあるが、引き続き価格転嫁が必要であること伺える。また、在庫水準の評価は50%が「適正」と答えており、依然在庫水準は高いものの、調整が進んでいるものと思われる。


Q. 業況判断に関する質問
 今回調査の業況判断は -0.42 との結果。前回11月調査(-0.92)から大幅な改善となった。ほぼ行動制限がない状態となり、外出機会の増加やオケージョン需要などコロナ禍で大きく減少していたものが目に見えて増加、インバウンドも水際緩和と円安で急伸しており、改善の兆しが顕著。一方で物価高による節約志向の高まりから買い控え傾向が強くなっており、今後の動向が懸念される。
 業況は改善しているものの「良い」「やや良い」の判断が未だほとんどないことから、まだまだ慎重な姿勢が伺える。
*業況判断DIは、「良い」2、「やや良い」1、「どちともいえない」0、「やや悪い」-1、「悪い」-2を付与して、総合計をアンケート参加者数で除して、一会員の平均を算出したもの。

 この間、個人消費を反映する全国百貨店売上の足元の推移をみると、行動制限のない年末年始商戦は活況であったほか、外出機会の増加やオケージョン需要から好調に推移、増勢が続く高額商材、急伸するインバウンドも好調を牽引している。
 チェーンストア売上高は、節約志向の高まりから買い控え傾向が強くなり、食料品が苦戦、全体を押し下げている状況。一方で衣料品や旅行需要関連商品などの動きは引き続きよかった。

全国百貨店、チェーンストアにおけるタオル分野の売上高伸び率推移

前年同期比伸び率%、店舗数調整後 6月 7月 8月 9月 10月 11月 12月 1月 2月
全国百貨店売上高合計 11.7 9.6 26.1 20.2 11.4 4.5 4.0 15.1 20.4
「その他家庭用品」分野 3.9 -3.7 16.5 7.8 -4.1 -7.4 -5.1 3.7 12.3
全国チェーンストア売上高合計 -0.1 1.8 0.6 1.1 1.6 0.8 2.7 1.3 -2.0
「住関品 日用雑貨品」分野 8.9 10.9 6.2 16.5 16.7 12.8 12.9 8.5 11.8
家具インテリア」分野 -4.3 2.5 -0.7 -1.8 10.3 2.1 2.9 5.9 -0.2

(注)百貨店売上高は日本百貨店協会発表、チェーンストア売上高は日本チェーンストア協会発表資料による

 3か月先の業況に関する判断DIについては、-0.33と足許の判断( -0.42)からも改善。改善傾向が顕著な回答となった。「とちらともいえない」、「やや良い」の回答が増え、先行きに期待する判断となっている。物価高による節約志向の高まりから、買い控え傾向が強くなっているものの、ほぼ行動制限がない中、一層の需要の回復、イベントの増加などが期待される。

業況判断DI


Q.販売、仕入動向に関する質問
 販売動向に関する状況をみると、前回とほぼ同じ結果で「どちらともいえない」が50%、「やや悪い」、「悪い」が42%であった。行動制限がなくなり、販売状況は回復傾向にあるが、「物価高による買い控えが起きていて、利益の取りにくい商品に偏りがち」、一方で、「イベントなどが開催されるようになり、名入れは注文、問い合わせとも多くなってきている」とのアンケート回答者からの声が複数あった。
前月との比較で仕入価格の変化を問う質問では、前回ほぼすべての先が「上昇した」としていたが、今回3割程度に落ちており、仕入価格の上昇は一旦落ち着いている状況。ただ、綿糸価格の高止まりと円安傾向が続く中、エネルギーコストの増加が続いており、今後さらに仕入価格を引き上げるのでは、との懸念の声も聞こえる。
また、販売価格の変化を問う質問においては、「上昇した」が前回の75% から50%になり、「変化なし」が増えている。一旦、仕入れ価格の上昇が落ち着き、仕入れ価格に応じた価格転嫁が進んでいるものと思われる。

Q.在庫動向に関する質問
 今回2月調査では、在庫が「過剰」と判断する先は全体の42% と、前回11月調査 58%に比べ下落。半数以上が適正と回答しており、在庫調整は進んでいる模様。
以上

なお、本調査に関するご質問等がありましたら、お気軽に以下にご連絡ください。
info@osakatowel.jp

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