調査報告について / REPORT
2024年2月実施「タオル流通動向調査」の結果に関するリリース
前回11月からの消費動向は、コロナ禍からの回復が一段と進んでおり、ほぼコロナ前の水準まで戻している。特にインバウンド需要が春節需要や円安効果を背景に、高い伸びを示している。一方、前回までと同様、物価高で実質賃金が減少する中、節約志向の高まりから買い控えが続いており、店頭価格の上昇が売上を押し上げる構図が続いている。
アンケート対象のタオル流通会員企業の今回調査での景気動向への見方を示す「業況判断DI」は足元 -0.40と悪化。
一方、三ヶ月先の「業況判断DI」は-0.10となり、景気回復に期待する結果となっている。
こうした環境の中、販売動向に関しては、「やや悪い」「悪い」が50%、「どちらともいえない」が30%「やや良い」が20%となっており、若干悪い方へとシフト、定番品、店頭販売品については厳しい環境が続いているとの声も多い。
また、仕入価格の上下を問う質問では、「上昇した」と回答はゼロで、変化なしが90%と落ち着きがみられる。
また、前月に比べて販売価格の上下を問う質問では、仕入価格同様、90%が「変化なし」と回答しており、販売価格についても落ち着きが見られ、また、在庫水準の評価は「過剰」が20%にとどまり、70%が適正としており、こちらも調整が進んでいるものと思われる。
Q. 業況判断に関する質問
今回調査の業況判断は -0.40との結果。前回11月調査(-0.27)から若干悪化となった。前々回から連続してマイナスとなった。概況については引き続き外出機会の増加やオケージョン需要、催事、イベントの好調など、コロナ禍で大きく減少していたものは順調に推移。インバウンドも円安効果で大幅に伸長しており、景況自体はコロナ禍前の水準に戻っては来ているものの、物価高を背景とした節約志向による買い控え傾向は続いており、店頭での販売量は増えていないとの声も聞かれる。
*業況判断DIは、「良い」2、「やや良い」1、「どちともいえない」0、「やや悪い」-1、「悪い」-2を付与して、総合計をアンケート参加者数で除して、一会員の平均を算出したもの。
この間、個人消費を反映する全国百貨店売上の足元の推移をみると、引き続き外出機会の増加やオケージョン需要から好調に推移、特に円安効果でインバウンドが好調を牽引しており、全体でもコロナ前の水準に戻ってきている。
チェーンストア売上高は、節約志向の高まりから引き続き買い控え傾向にあり、買い上げ点数は減少しているものの、店頭価格の上昇で全体はプラス。日用雑貨品も堅調に推移している一方で、家具インテリアは一進一退の状況は変わらず。
▼全国百貨店、チェーンストアにおけるタオル分野の売上高伸び率推移
|
前年同期比伸び率%、店舗数調整後 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
全国百貨店売上高合計 |
7.0 |
8.6 |
11.8 |
9.2 |
6.1 |
7.4 |
5.4 |
7.1 |
14.0 |
「その他家庭用品」分野 |
-3.4 |
5.3 |
4.7 |
1.6 |
-0.4 |
2.8 |
-1.9 |
2.9 |
0 |
全国チェーンストア売上高合計 |
2.1 |
4.9 |
3.4 |
2.8 |
3.3 |
3.7 |
1.7 |
1.9 |
5.5 |
「住関品 日用雑貨品」分野 |
4.3 |
0.4 |
4.9 |
3.6 |
4.6 |
3.2 |
2.3 |
3.9 |
7.3 |
家具インテリア」分野 |
-6.5 |
2.5 |
-1.1 |
-3.6 |
1.8 |
-0.1 |
10.4 |
-13.5 |
0.5 |
(注)百貨店売上高は日本百貨店協会発表、チェーンストア売上高は日本チェーンストア協会発表資料による
3か月先の業況に関する判断DIについては、-0.10と足元の判断( -0.40)と比べると大幅な改善を見込んでいる。円安が高水準で続いているものの、仕入れ価格が落ち着いており、つれて販売価格も落ち着きをみせていることから、景気の回復に伴う需要増に期待する向きが見られる。ただ、上下から「どちらともいえない」にシフトしている傾向にあり、物流コスト、円安の高止まりでさらなるコストアップ、節約志向が継続している、などのコメントから、足元は厳しいとの声が多数見受けられる。
Q.販売、仕入動向に関する質問
販売動向に関する状況をみると、「どちらともいえない」が30%、「やや良い」が20%「やや悪い」、「悪い」が50%であり、若干の下振れとなった。イベントなどが開催されるようになり、別注関連は好調だが、定番、販売店の動きはいまひとつ、との声もあることから実需は依然、弱含み。
前月との比較で仕入価格の変化を問う質問では、「変化なし」が90%で、「上昇した」がゼロになり、仕入価格の上昇は一旦落ち着いている。ただ、このまま円安が高止まるようでは、仕入価格は再度上昇する、との懸念の声も聞かれる。
また、販売価格の変化を問う質問においても仕入価格と同様の動きで、90%が「変化なし」と回答しており、販売価格の上昇は一段落している模様。ただ、円安が高止まっており、さらに長期化すると収益がさらに厳しくなる、との声も聞かれる。
Q.在庫動向に関する質問
今回2月調査では、在庫が「過剰」と判断する先は全体の20%に低下、適正が70%と上昇し、調整が進んでいる。
以上
なお、本調査に関するご質問等がありましたら、お気軽に以下にご連絡ください。
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