調査報告について / REPORT
2024年11月実施「タオル流通動向調査」の結果に関するリリース
前回8月からの消費動向は、2019年比でほぼ同水準で推移している。特にインバウンド需要が過去最高を記録。今年は9月まで猛暑が続き秋物等季節商材の動きは鈍かったが、夏物アイテムが好調に推移した。一方、食料品は節約志向が続いて苦戦。引き続き買い上げ点数は減少傾向だが店頭価格の上昇で全体ではプラス基調は変わらず。住関品は天候要因で大きく左右されている。
アンケート対象のタオル流通会員企業の今回調査での景気動向への見方を示す「業況判断DI」は足元 -0.25でほぼ横ばい
また、三ヶ月先の「業況判断DI」もほぼ横ばいの-0.08となった。再び円安傾向になってきており、今後の不安の声が複数聞かれる。市況はインバウンドの旺盛な消費に支えられているもののタオルの小売り状況は悪く、先行きを不安視する内容が多い。
こうした環境の中、販売動向に関しては、「やや悪い」「悪い」が41.6%、「どちらともいえない」が41.7%「やや良い」「よい」が16.6%となっており、前回調査と比べ上下に振れており、各社で好不調が分かれてきている印象。
また、仕入価格の上下を問う質問では、「上昇した」が33.3%に増え、変化なしが66.7%となり、前回調査よりも円安に進んだ分、再び上昇に転じている模様。
また、前月に比べて販売価格の上下を問う質問では、「上昇した」が25%と前回から増えており、仕入れ単価と同じ動きとなっている。
Q. 業況判断に関する質問
今回調査の業況判断は -0.25との結果。前回11月調査(-0.20)とほぼ横ばい。概況についてはインバウンドが過去最高を記録し全体を引っ張っているものの、節約志向による日常の買い控え傾向が続いており余談は許さない。
*業況判断DIは、「良い」2、「やや良い」1、「どちともいえない」0、「やや悪い」-1、「悪い」-2を付与して、総合計をアンケート参加者数で除して、一会員の平均を算出したもの。
この間、個人消費を反映する全国百貨店売上の足元の推移をみると、インバウンド需要が過去最高を記録し引き続き好調を牽引している。
チェーンストア売上高は、節約志向の高まりから引き続き買い控え傾向にあり、買い上げ点数は減少しているものの、店頭価格の上昇によって昨年対比プラスで推移している。衣料品などの季節物が9月まで猛暑が続いたため動きが悪く、10月は前年同月比マイナスとなった。日用雑貨品が堅調に推移している一方で、家具インテリアは衣料品同様、天候に大きく左右されている状況。
▼全国百貨店、チェーンストアにおけるタオル分野の売上高伸び率推移
|
前年同期比伸び率%、店舗数調整後 |
2月 |
3月 |
4月 |
5月 |
6月 |
7月 |
8月 |
9月 |
10月 |
全国百貨店売上高合計 |
14.0 |
9.9 |
8.9 |
14.4 |
14.0 |
5.5 |
3.9 |
2.3 |
-0.7 |
「その他家庭用品」分野 |
0 |
0.3 |
-2.2 |
0.6 |
6.0 |
0.6 |
0.8 |
4.3 |
-3.5 |
全国チェーンストア売上高合計 |
5.5 |
9.3 |
0.4 |
0.1 |
4.7 |
-1.0 |
3.8 |
1.0 |
-1.3 |
「住関品 日用雑貨品」分野 |
7.3 |
16.5 |
3.6 |
1.8 |
9.2 |
8.1 |
5.9 |
8.3 |
4.6 |
家具インテリア」分野 |
0.5 |
-5.0 |
5.6 |
1.7 |
1.9 |
0.2 |
7.7 |
1.5 |
-9.8 |
(注)百貨店売上高は日本百貨店協会発表、チェーンストア売上高は日本チェーンストア協会発表資料による
3か月先の業況に関する判断DIについては、-0.08と前回の( -0.10)から横ばい。思った以上に円安が続きそう、国内外ともに政治・経済に関する不確定要素が多く先行きが見通せない、などの声も聞かれ、どちらともいえないとの声が大半を占めた。
Q.販売、仕入動向に関する質問
販売動向に関する状況をみると、「どちらともいえない」が41.7%、「良い」「やや良い」が16.6%に対し「やや悪い」、「悪い」が41.6%となり悪化傾向。店頭は天候と買い控えの影響を受け状況は悪い。
前月との比較で仕入価格の変化を問う質問では、「変化なし」が66.7%で、「上昇した」が33.3%で、「変化なし」が80%で、「上昇した」が20%であった前回から上昇へシフト、前々回とまったく同じ割合となり、一旦落ち着いた仕入れ価格がふたたび上昇している。
また、販売価格の変化を問う質問においても仕入価格と同様の動きを見せており、75%が「変化なし」とするも、25%が「上昇した」と回答しており、前回から上昇。仕入価格の変化に連動する形となっている。
Q.在庫動向に関する質問
今回11月調査では、在庫が「過剰」と判断する先は前回の60%から全体の50%に減少、適正が50%となり、比較的在庫はコントロールされている様子。
以上
なお、本調査に関するご質問等がありましたら、お気軽に以下にご連絡ください。
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