調査報告について / REPORT
2025年5月実施「タオル流通動向調査」の結果に関するリリース
前回2月からの消費動向は、引き続き買い上げ点数は減少傾向だが、農産品の相場高、店頭価格の上昇で全体ではプラス基調が続いている。好調を維持しているインバウンド需要も円高傾向の加速、世界的な景気後退懸念が購買心理に影響しており、免税売上が苦戦していることから伸び悩んでいる。
アンケート対象のタオル流通会員企業の今回調査での景気動向への見方を示す「業況判断DI」は足元 -0.73で大幅に下落。
また、三ヶ月先の「業況判断DI」は前回の好転から反転し、足元からも下落の-0.82となった。物価高の影響で市況は悪く、人件費、物流コストの上昇で採算が難しい状況。ただ、別注関連は順調との声は引き続き複数あり、市況は悪いものの、別注需要はコンスタントにあるようだ。
こうした環境の中、販売動向に関しては、「やや悪い」「悪い」が72.7%、「どちらともいえない」が27.3%「良い」「やや良い」はゼロとなっており、非常に厳しい内容となった。
また、仕入価格の上下を問う質問では、「上昇した」が18.2%、変化なしが81.8%となりここにきて一部で仕入れ価格が上昇している。
また、前月に比べて販売価格の上下を問う質問では、「変化なし」が90.9%である一方、9.1%が下降したとなっており、高止まりしていた販売価格が円高傾向と店頭販売の不振で一部で下がる傾向にある。
Q. 業況判断に関する質問
回調査の業況判断は -0.73との結果。前回2月調査(-0.44)から大幅に悪化。コメを中心とした農産品の相場高、物価上昇が継続し、節約志向に拍車がかかっており、インバウンド需要も円高傾向と世界的な景気後退懸念からブレーキがかかっていて非常に厳しい結果となった。
*業況判断DIは、「良い」2、「やや良い」1、「どちともいえない」0、「やや悪い」-1、「悪い」-2を付与して、総合計をアンケート参加者数で除して、一会員の平均を算出したもの。
この間、個人消費を反映する全国百貨店売上の足元の推移をみると、全体を引っ張っていたインバウンド需要が、円高傾向とトランプ関税による景気後退懸念も影響してか伸び悩んでおり、天候不順も手伝ってマイナスが続いている
チェーンストア売上高は、節約志向の高まりから引き続き買い控え傾向にあり、買い上げ点数は減少しているものの、店頭価格の上昇によって昨年対比プラスの傾向は変わらず。日用雑貨品が堅調に推移している一方で、家具インテリアは苦戦。
▼全国百貨店、チェーンストアにおけるタオル分野の売上高伸び率推移
|
前年同期比伸び率%、店舗数調整後 |
8月 |
9月 |
10月 |
11月 |
12月 |
1月 |
2月 |
3月 |
4月 |
全国百貨店売上高合計 |
3.9 |
2.3 |
-0.7 |
3.4 |
2.8 |
5.2 |
-1.5 |
-2.8 |
-4.5 |
「その他家庭用品」分野 |
0.8 |
4.3 |
-3.5 |
4.7 |
0.2 |
2.5 |
-1.8 |
5.5 |
-1.1 |
全国チェーンストア売上高合計 |
3.8 |
1.0 |
-1.3 |
3.5 |
3.0 |
0.9 |
-0.3 |
2.2 |
3.4 |
「住関品 日用雑貨品」分野 |
5.9 |
8.3 |
4.6 |
7.1 |
4.5 |
3.2 |
3.3 |
2.72 |
4.8 |
家具インテリア」分野 |
7.7 |
1.5 |
-9.8 |
8.3 |
3.3 |
-5.8 |
-5.6 |
-7.7 |
-0.5 |
(注)百貨店売上高は日本百貨店協会発表、チェーンストア売上高は日本チェーンストア協会発表資料による
3か月先の業況に関する判断DIについては、-0.82と前回( -0.33)から大幅に下落。
コメの販売価格の高止まりが節約志向に拍車をかけており、店頭販売は低迷、また、今後、国産タオルの仕入れ価格の上昇も見込まれることから足元よりも悪い結果となっている。
Q.販売、仕入動向に関する質問
販売動向に関する状況をみると、良い」「やや良い」がゼロとなり、「どちらともいえない」が27.3%、「「やや悪い」「悪い」が72.7%となり大幅に悪化。店頭価格の上昇で消費マインドが低下、買い控えの影響を大きく受け、大幅に悪化。
前月との比較で仕入価格の変化を問う質問では、「変化なし」が81.8%、「上昇した」が18.2%となり、11.1%であった前回から「上昇した」へシフト、国産品の仕入価格はふたたび上昇する見込みとなっており影響したか。
一方、販売価格の変化を問う質問においては前回変化なしが100%であったが今回下降したが9.1%となっており、円高傾向で輸入品は仕入価格が下がりつつあることと、店頭販売が悪いことから販売価格は一部で下落している模様。
Q.在庫動向に関する質問
今回5月調査では、在庫が「過剰」と判断する先は前回の55.6%から54.5%、「適正」が44.4%から45.5%とほぼ横ばい。引き続き過剰気味であるものの安定している。
以上
なお、本調査に関するご質問等がありましたら、お気軽に以下にご連絡ください。
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